2016年にオープンのロウリュはおそらくフィンランドで最も名の知れた公共サウナ。ヘルシンキ南部のウォーターフロントに建設された、レストランが併設した複合施設。
海岸沿に放つ存在感。外観は木板を重ねており、まるで彫刻のよう。
木のロッカーにコートを掛け、靴を脱ぎ受付へ。日本にはないスタイル。
事前予約を済ませていたので、バスタオル、ペフレッティ、ロッカーの鍵を受け取り脱衣所へ。
脱衣所もおしゃれ。シンプルで無駄がなく、木の温もりが落ち着く。
注意書きなどは一切ない。
シャワーで洗体し、先ずは薪ストーブのサウナへ。
ガラスの扉を入ると、すぐ右手に鉄の箱のような巨大なストーブ。ロウリュしがいがありそうだ。
5段ほどの階段を上がると、L字型2段の座面。海側の壁はガラス張りになっていて明るく開放感ある。
ロウリュする時は、蓋を開けるのだがこれが重く、ストーブが大きく石が大量に積んであるので、ロウリュのパワーも凄い。ラドルで慎重にロウリュすると、迫力のあるロウリュが味わえる。
サウナから出て、バルト海。
東映映画のオープニング映像並みに波が激しくザッバーンと打ち寄せているが大丈夫か?
冬の冷水浴は速さ勝負なのでここは躊躇せず、足早に階段を降り入水。(※冬は氷で滑るので注意)
手摺から手を放すと波にさらわれそうなくらい荒れていた。
キーンと冷え切った海水が全身の熱を一気に奪っていく。
冷たいをはるか通り越し、痛い。
しかし、上がったあとの爽快感と全身がぽかぽかしてくる安堵感、この瞬間がたまらない。
少し休憩し、スモークサウナへ。
いまこの時代に、ヘルシンキの都会でスモークサウナに入れるなんて、とても貴重なことだと思う。
さっきの薪サウナの雰囲気とがらりと変わり真っ暗。小さな窓から差し込む光くらいで、人の顔が見えないくらい薄暗い。
階段を上がって座面に座る。
座面に座った時の足元の高さと、ストーブの高さが同じで、尚且つ座面に座ると天井すれすれの高さ。この黄金比がロウリュを最大限に感じられる。
部屋が暗いと、自然と静寂な時間が流れる。
時折ロウリュする際の掛け声。
静寂の中にロウリュのジュワ~という音ともにロウリュを、偶然居合わせたみんなで共有する。
ロウリュしてくれた人に対して、Kiitosの掛け声。
そしてまた、静寂が訪れる。
後から自分もロウリュしてみたが、ことらも蓋を開閉するタイプで、蓋が重く、水を打つところが高くて見えない為難しい。
共有シャワースペースには、木の樽が頭上に設置されているガッシングシャワーと呼ばれるものがある。ロープを引っ張ると水が落ちてくる仕組み。
けっこうな勢いで水が落ちてきて、たらい落し感がある面白いシャワーだった。
奥に進むと暖炉。
フィンランド人が寛いでいて絵になる。
受付でドリンクを注文することも可能で、ビールやワイン等アルコール類を飲んでいる人たちも。高級な大人のリゾート感溢れて、場酔いしてしまう。
この日は、運よく貸切りサウナが開放されていた。
こちらは薪ストーブと、スモークサウナに比べるとコンパクトながら、自然と会話ができる空間。
入口から見たサウナ室がとても絵になるサウナ。
伝統的でモダン。
地元の方、日本人観光客、友人同士、家族連れ、女子会サウナに妊婦さんも。地元住民から観光客まであらゆる人が利用しており、フラットで自由闊達な空間。
サ飯はサーモンスープ。
五臓六腑に染み渡る~
Kiitos.
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