キング・オブ・サウナ。
サウナの王様と言われるスモークサウナ。
スモークサーモンという言葉に、ついつい反応してしまって早数年。やっと本物のスモークサウナに来た。
スモークサウナとは、
フィンランド語でSavesauna(煙のサウナ)という。
簡単にいうと煙突がないサウナの原型。
準備方法は以下の通り。
1.ストーブで薪を焚く。薪はゆっくり時間をかけ燃やし、石が赤く熱するまでて燃やす。加熱時間は約7時間
2.サウナを加熱している間、サウナ室内は熱と煙が充満する。
3.充分に過熱が終わったら、熾火をかたずけ、ドアを開放しロウリュすることにより、室内の有害な煙を外へ排出する。(ハカロウリュと言われる。)
4.壁や座面の煤を掃除し、旧排気孔の開き具合を調整して、ドアを閉めれば準備完了。
上記の方法でスモークサウナは暖められている。
今回は森の散策とサウナが体験できるツアーに参加。
ヘルシンキ中央駅から電車と地下鉄を乗り継ぎ最寄りのバス停で降車し、歩く。
早速森。フィンランドの木はほとんどが白樺、マツ、トウヒの3種だそう。
15分くらい歩いたところで、見えた。
クーシャルヴィ。
クーシャルヴィは湖の名前。湖の周囲を約30分くらいで1週したので、比較的小さな湖だ。
全面凍結していて、白銀の世界と森。この景色、地元北海道の景色にとても似ている。阿寒湖や然別湖、屈斜路湖の自然環境と似ていて親近感が湧く。
夏には周辺でブルーベリー摘みもできるそう。フィンランドの自然享受権。
お待ちかねのスモークサウナ!
先ずは、脱衣所と同じ建物内の一番大きなスモークサウナから。
ペフレッティは板だ。フィンランドっぽい。(ペフレッティは日本でいうサウナマット)
入った瞬間からそれはもう、感動した。
薄暗い部屋に燻された香り。大量の石が積まれている大きなストーブ。20人位収容できる3段の座席。最上段は座ると天井すれすれだ。
ロウリュは直接ではなく、石の上に鍋があり、その鍋に水を入れると穴が開いている底から、ロウリュされる仕組み。
鍋に水が注がれた瞬間の、「ジュッ」という音の後にスモーキーの香りが広がり、ふわっと熱い蒸気が降りてきて身体全体を包み込む。
鳥肌が立った。
あの瞬間は忘れない。
SAUNAは蓄熱だ。
これこそ「SAUNA」
そして3段目は猛烈に熱い。
スモークサウナの勲章、背中に黒い翼を授かり湖へ。
これまで、沢山の湖でアヴァントや湖水浴してきた。(屈斜路湖、十勝川、阿寒湖、屈足湖、然別湖、支笏湖、洞爺湖、十和田湖etc.)川もあった。
今こそその成果を発揮する時?
本場のアヴァントは、勿論冷たかった。。
こちらは、アイスホールというよりプールになっていてフィンランド人は悠々と泳いでいた。
(一番近くの桟橋は封鎖されていた。)
アヴァントの後の爽快感はクセになる。空気が澄んでいて気持ち良い。
次は、小さい方のスモークサウナ。
コンパクトなサウナだが、サウナの広さのわりにストーブは大きい。
このこじんまりした感じも落ち着く。
サウナ室内の会話が一瞬途切れた無音の瞬間に、小窓から差し込む光が幻想的だった。
そう、サウナ室が狭いとロウリュに時差がなく、その瞬間ダイレクトにタールの香りの蒸気が降りてくる。
昔のスモークサウナもこの位の大きさがスタンダードだと思われる。
石の蓄熱力は凄い。
上部の石がロウリュすることによって温度が低くなっても、その石よりも熱い周囲の大量の石が、直ぐに温めてくれるから長時間熱を保てるのかな。
石からの熱も、ロウリュによる熱も良いと思ったが、壁にもたれかかった時の木から伝わる熱、煤とタールの香りが直接自分の肌に着くのもスモークサウナの醍醐味。
森と湖とスモークサウナ。SAUNAの原点だ。
このスモークサウナは7、8時間もかけて薪を焚べ、大量に積まれた石を温め、最後に煙を出し、客を迎え入れる。
丹精込めて暖められたサウナと自然に感謝。
Kiitos.
コメント